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空手道流派と形

みなさんこんにちは。管理人です。


今週から9月に入り、暑さも一段落しましたね。

まだ暫くは残暑も厳しいと思いますが、暑さに弱い管理人にとってはこれから晴れてシーズン入りという事になります。


という事で、これからは試合なども盛り沢山になってくる事から、そのレポート記事も増えると思いますが、今週はその手前という事で、少し流派と形について触れてみようと思います。


公式HPにも記載していますが、尚志館は松濤館流という流派に属しています。

既にご存知の方も多いかも知れませんが、空手道には所謂"四大流派"と呼ばれる流派があり、松濤館流はその一つで、他には「剛柔流」「和道流」「糸東流」があります。


いずれも元は沖縄に端を発するところは一緒で、いずれの開祖と呼ばれる方々も、今のような流派が確立される前は、お互いに同じところで稽古を積んでいたりしたそうです。

よって流派によって柔術的要素の技が取り入れられたり、 釵(サイ)やヌンチャクなどの武器を使った稽古も取り入れているところがありますが、流派が違うからと言っても空手道の基本に違いはありません。


しかし元は同じだった空手道がそれぞれの流派に分かれていく中で、形についてはそれぞれに解釈がされ、熟成されていった結果、流派間で呼び名が同じでも挙動が違ったり、逆に名前が違っても挙動が似た形ができました。

という事でまずは松濤館流(日本空手協会)十五の形を軸に、選定形を含めた全部で25の形の名称をご紹介しましょう。

※これ以外にも先日ご紹介した太極初段や慈陰(ジイン)という形などもありますが、今回は現在公開されている空手協会の指導要領を参考にご紹介します。

 

<<松濤館十五の形>>

平安初段~五段(ヘイアンショダン~ゴダン)

鉄騎初段~参段(テッキショダン~サンダン)

抜塞大(バッサイダイ)

観空大(カンクウダイ)

燕飛(エンピ)

慈恩(ジオン)

十手(ジッテ)

半月(ハンゲツ)

岩鶴(ガンカク)

<<以下選定形>>

抜塞小(バッサイショウ)

観空小(カンクウショウ)

壮鎮(ソーチン)

二十四歩(ニジュウシホ)

雲手(ウンスー)

王冠(ワンカン)

五十四歩大(ゴジュウシホダイ)

五十四歩小(ゴジュウシホショウ)

明鏡(メイキョウ)

珍手(チンテ)

 

例えば入門すると最初に習得する平安の形は松濤館では「ヘイアン」と本土読みをしますが、和道流や糸東流では同じ漢字を書いても「ピンアン」と沖縄読みをします。また形の挙動では松濤館流の平安初段と弐段が和道流と糸東流では弐段と初段で逆になっているという違いがあったりします。

他にも鉄騎や岩鶴も他流派ではそれぞれ「ナイハンチ(ナイファンチ)」、「チントウ」と

呼ばれたりしています。


他にもいくつかありますが、今回はそれぞれの流派による形への解釈を知る意味で、ちょっと面白い動画を見つけたので、勝手に拝借してご紹介したいと思います。

それぞれ向かって中央が松濤館流、右が和道流、左が糸東流です。

これは松濤館では観空大と呼ばれる形ですが、和道流では「公相君(コウソウクン)」、糸東流では「クーシャンクー」と呼ばれています。動画を見ると元は同じ形だったものが、それぞれ変化しながら形の違いとして表現され、結果としてそれが前回の記事でも書いたような、松濤館流独特の歩幅広めの立ち方だったり、それぞれの技を大きく見せるなど、ダイナミックな動きを特徴として形を変えていったというのもお分かり頂けるのではないかと思います。


他の形でも、各流派それぞれ立ち方などに特徴が出ていますので、全空連系の試合を見に行かれる機会があれば、予め自流派の形の他流派での呼び名を覚えてから参加すると、自身の空手稽古にも、普段とは別の視点から得るモノがあるかも知れません。

 

では、ダイナミックついでに最後にもう一つ。

全空連系の形試合を見ていると、団体形の後に「分解」と呼ばれる3人が互いに実際の攻防をする演武を見れることがあります。これは、先ほどの形の技解釈を正しく出来ているかを判断するための演武なのですが、これを見ていると日頃何の気なしに順序を覚えている形というものが、実際はどんな攻防を想定しているのかがイメージ出来たりします。


もちろん空手協会でも分解を通じての形理解はする事があるのですが、似たようなものに『立ち捕り』という演武があります。これは実際に色んなシーンを想定した攻防の模範演武なのですが、空手協会主催の大きな大会の昼休みなどに見ることが出来ます。

まぁ何かとスゴいので、最後にこちらをご紹介。


まずこちらは今年の全国大会で行われた総本部小林師範の立ち捕りです。

うん、見事な演武ですね。"空手カッケー!!"と思いますね。ウチのシャイな息子もこうなってくれたら父親として言うこと無しです。という事で武道とは言えども、刺激は少なめ。


では、これが時代でどう変わっていっているか、続いて少し年代を遡って見てみましょう。

今度も同じく総本部の小倉師範、泉屋師範、中師範の演武です。

所々に皆さんが見たことのある形の要素が織り込まれていますね。師範たちの本気の目つきなど、少し刺激が強めになってきましたが、まだ大丈夫というところでしょうか。

でも管理人は少し心拍数が上がってきてます・・・。(笑)


では更に時代を遡ってこちらの演武を見てみましょう。心臓の弱い方はご注意下さい。

こちらは田中昌彦師範の映像です。勿論演武として手加減をしていますが、見ている方がおっかない気持ちになってきます。

実際何発か本当に入っちゃっているのがあると思いますが、これで直ぐに立ち上がってこれる総本部指導員や研修生の方々は本当に凄いと思います。

いくら正座して礼をしたからとは言え、当てられても許せるのには限度ってあるだろ・・・と思っちゃう管理人はまだまだ甘チャンなんでしょうね。武道館で道着を着ているからいいですが、これが歌舞伎町で私服だったら、目を逸らして道を譲るレベルです。

例え後ろから日本刀を持たせてくれたとしても絶対に襲い掛かったりできません!


尚、これでも刺激が足りないというアナタは、Youtubeで『矢原美紀夫』で検索してこちらの動画をご覧ください。元協会指導員だった矢原先生の昇段審査の動画らしいですが、こんな審査に私なら参加したくありません。元々協会の試合でもかなり激しい組手をされた先生なので、きっと相手に指名された方も呼ばれた瞬間に自分の運命を悔やんだ事と思います・・・。(合掌)

※かなり荒っぽい動画なので、敢えてYoutubeの直貼りをしません。見たい方はクリックしてご覧下さい。 (補足)この動画は撮影時期が不明ですが、道場の景色から察するに、矢原先生が協会をお離れになられた後に設立された空手之道世界連盟での審査模様と思われます。


ところでここまで読んでサムネイルの画像とは大違いの展開に「ダマされた!」と思ったアナタ。残念ですがその通りです。

だってみんな中村綾乃選手のような美人の写真の方が、記事を読んでくれるでしょ?

管理人だって何とかして読者を増やしたいので必死なんです!

その代わり少しでも空手道の良さや尚志館の楽しさをお伝えできれば・・・と思って頑張って記事を書いていますので、それに免じて許してやって下さい。




という事で、秋のシーズン本格化を前にここ数回に分けて武道について投稿してきましたが、今回は形をモチーフに流派という視点で武道を考えてみました。

既にどこかで空手を学ばれている方も、これから空手をやりたいと思っている方も、勿論一緒に稽古が出来たら嬉しいですが、ご自分にあった流派や道場を探してみるという意味で、皆さんの空手ライフ検討の一助になればと思います。


来週はいよいよ秋冬シーズン最初のイベント、昇級審査です!!

管理人も今回からは審査を受ける側から見る側に回れるようになったので、写真を沢山撮って皆さんにお伝えできればと思っております!

ではまた来週お会いしましょう!!


押忍

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