空手道の試合には、開始線がある。
組手試合では相手と対峙する位置にあり、形試合では正面に向かって並列する。
組手も形も、開始線による礼で始まり、礼で終わる。
特に松濤館流の形は、正しい立ち方で演武をすると、開始線に戻れるようになっている。
少し登山に似ていると感じる。
登山は山の頂に到達することが目的ではあるが、安全に下山を終えるところまでが重要だ。
組手や形で技を出し、勝ち負けを競うことも大切であるが、怪我をせずに元の位置に戻るまでが試合なのであろう。
日々の生活で迷いや悩みが生じた時には、自分の開始線に戻ることを意識したい。
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