皆さんこんにちは。管理人です。
先週は昇段審査があり、新しく黒帯の仲間入りをした方々も沢山いらっしゃいました。
今週は何を書こうか悩んでいたのですが、めでたくマイ黒帯をゲットした皆さんへの祝福も兼ねて、帯について書いてみようと思います。
まず空手の帯の色って、皆さん何色がありますか?尚志館だと、白・黄・緑・紫・茶・黒ですよね。他の道場だと、これに水色とか橙色とかが加わったりもしますが、まぁ概ねどこの道場でも、黄色系・青系・茶・黒みたいな感じで、ピンクとか赤とかの赤系統の帯は殆どというか、少なくとも管理人は見たことがないです。
この帯の色は、元々長年の稽古によって初めは白かった帯が汚れなどで茶から黒へと変化していく様を表しているというのは有名な話ですが、黄色や緑、紫の色にも諸説はあるものの、それぞれの色に意味合いを持たせたりしています。
(因みに協会でも色帯を設けずに白・茶・黒の3色しかない道場は存在します)
一般的な町道場では、学ぶ子供達へのモチベーション向上などの目的も兼ねてこうした色帯を導入していますが、年数回昇級審査を受ければ、同じ色帯を締める期間も短くなるため、大抵の場合では道場から貸与したり、先輩から後輩へ引き継いだりします。
ですが黒帯になると、この先昇段してもずっと黒帯のままですから、皆マイ帯を持つことになります。中にはフルコンタクト系の流派のように、段位を表す金のラインを入れるところもありますが、協会の場合にはそのようなものは入れないので、昇段してもずっと同じ帯を使い続けます。なので、昇段を控えた方々は、審査へ向けた稽古と併せて、自分の帯をどうするのか悩むことになる訳です。
確かに『捕らぬ狸の皮算用』という言葉もあるものの、自分の場合もそうでしたが、やはり自分だけの黒帯が手に入る・・・というのは厳しい稽古への励みにもなるものです。
他にも大人の場合は帯の材質や長さなどもオーダーするため、優柔不断な人は中々決断できず、必死にググって調べたりする事になります。(筆者の経験談)
という事で、今回はその帯選びで管理人が悩んだポイントをご紹介したいと思います。
オーダーできる範囲ですが、一般的には「材質」「太さ」「長さ」「刺繍の色」の4つになると思われます。
まずは材質ですが、正直好みだと思います。『それを言ったらオシマイだろ!?』という声も聞こえてきそうですが、メーカーサイトでは"初めから締めやすい"などの謳い文句もあるものの、実際に締めてみた感覚としては、綿でも絹でもそこまでの違いはないと思いました。むしろ最初は帯が固いので、何を選んでもしばらくはほどけ易くなります。
なので実際に触った感触を踏まえてどれを選んでも後悔はしないと思います。
差があるとすれば、使い込んだ後の見た目は絹やサテンは表地が擦れて剥げていきますが、綿はその傾向が弱く、縁だけ剥げていくというのは少ないというのがあると思います。
むしろ材質選びで気を付けるべきは、洗濯の有無です。帯は先ほどの通り、稽古の過程で黒ずんでいく様を表しているとか、武の神様が宿っているからなどの理由から、本来洗うものではないと言われています。ですが、管理人のように夏場は稽古で帯までビッショリになってしまうような場合、一緒に稽古する方々への礼儀というか身だしなみとして時々洗う方がいます。近年ではファブリーズのような製品もありますが、匂う時は匂うもんです。
特に近年は女性の空手家も増えてきましたので、タダですらオッサン臭いのに、本当に匂うようになったら、誰も一緒に稽古してくれなくなりそうです。そもそも家で干していると家族から白い目で見られます。
なので、本絹の手触りはスベスベで気持ちがいいですが、素人が洗濯をすると絹はすぐに傷んで表面がケバ立ってしまいますので、注意が必要です。早く使い込んだ味を出したい方は良いのでしょうけど、値段にして他の帯の3倍近くするものですから、それだけが目的ならばサテン(朱子)の帯を選んだほうが良いと思います。
なので締め易さを考慮に入れるならば、管理人的には材質よりも太さと長さに拘ります。
特に最近の流行は太めの幅広帯ですが、幅だけでなく厚みも増している為、ずっと並幅の帯を締めていた人にとっては、実際締める時には見た目以上にズッシリとした感じを受けるとともに、いざ結ぼうとした時には今までに比べて結び難いと感じると思われます。
まぁ、それも結局は慣れと言ってしまったらそれまでなので、まずは買う前に誰かに一回借りて締めさせてもらうと良いと思います。ちなみに管理人は並幅派です。
長さはメーカサイトにも計算式が載っていたりしますが、その数値に基づいて計算し、あとは結び目からどの程度垂らしたいによってプラスマイナスしてあげると良いと思います。
管理人は長めが好みなので、腹囲×2+125cmを基準にしていますが、これは洗濯による縮みを前提としているので参考にされる方は注意してください。洗濯をすると5㎝~10㎝くらい縮みます。10㎝は帯の号数で1号分に相当します。
尚、幅広を買われる方は、結び目も厚くなるので更に長さを足す必要があります。メーカーの推奨では1号分上を買えと言われているので、10cm足しておけば良いかと思います。
あとは、帯の結び方によって差し結びや二重結びなど、結び目で長く使う結び方をされる方は、更にその分を調整してあげると良いと思います。そういう意味では、長さは長めにしておけば、結び方でかなり調整はできるので、短くて後悔するよりは融通が利きます。
とは言え、長けりゃいいっていうものでもなく、あまり長すぎると前蹴りの時に自分の顔に帯先が飛んでくるので、何事も限度が肝心です。
(特に買ったばかりの固い帯や幅広帯はその傾向が・・・)
最後に刺繍の色ですが、これこそ巷では好みといわれるものの、最近は金・銀などの光沢色が人気のようです。中にはピンクやブルーなどの今どきのカラーを選択する方もいらっしゃいます。ですが、もしもあなたがこの先も同じ帯を使い続けて白帯みたいになるまで稽古をするというならば、その時の事は考えておいた方が良いかもしれません。例えば白のように黒帯の時はコントラストがハッキリして見やすかった色も、帯が剥げて白くなると同化して見えにくくなるという事もあります。
そういう意味では、昔ながらの金茶と呼ばれるオレンジは、黒でも白でも比較的目立ちやすい色だと言われている定番色で、実際に師範の帯もこの色です。
あとは、名前の刺繍以外にも、裏面や腰に回すあたりなど見えないところに、敢えて目立たない黒糸で武道家が好みそうな四字熟語などを入れたりする人もいたりしますが、ハッキリ言ってこれは完全に好みの世界です。
と色々ポイントを挙げましたが、皆さんも初めて手にする黒帯は、散々悩んでから手にすると、きっと今までの苦労も含めて喜びが2倍3倍にもなるのではないかと思います。
一生に一度の初黒帯選び、是非とも楽しんでしてみて下さい。
さて、12月は例年稽古納めくらいしかイベントがないので、来週も引き続き管理人の与太話をお届けしたいと思います。師走の忙しい時期ですが、皆様体調管理には十分お気を付け下さい。ではまた来週!!
押忍
(おまけ)
行きつくところまで悩んだ後は、メーカーに拘ってみるというのも面白いかもしれません。
例えば、帯の表地の巻き方が帯裏の真ん中で綴じていたり、側面で中に折りこんであったりという違いがあるほか、協会の提携メーカーには少ないものの、刺繍を裏抜けさせて縫い付けるメーカーもあるなど、色々なものがあります。
因みに管理人的にはラベルも一つの拘りポイントです。どこも基本的には協会ラベルのデザインは似ていますが、ヒロタさんだけは協会マークが赤白ではなく金銀で描かれます。実際に見てみると意外とカッコイイので、こういうポイントで帯選びをしてみるのも面白いかもしれません。(そう言いつつ管理人の好みは東海堂ですが・・・)
これ以上書くと、師範から『帯で悩む暇があったら稽古しろ!』と怒られそうなので、今回はこのくらいにしておこうと思います。(笑)
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